誰もが安心して住み続けられるまちづくり

東京ほくと医療生協

理事長のごあいさつ

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東京ほくと医療生活協同組合
理事長 今泉貴雄

 

 

  • 6月22日


     今年も総代会の開催ができました。コロナがなくなったわけでも、ただの風邪になったわけでもありません。しかし、ウィズコロナ時代の新たな歩みを確実に始める象徴にもなると思います。街中でもマスクを外す方が多くなりました。
     一方で、そのような状況でも医療・介護従事者は、抵抗力の乏しい方のケアをするため、業務中はマスクを外すわけにいかない現状が続いています。




    コロナ前同等の収益得ず
    諦観ていかんし事業終了の部門も


     この一年、コロナが5類となり、コロナがもたらした新しい価値観のもと、各事業所で事業運営を行ってきました。しかし、コロナ前の外来患者数から減少しています。そして王子生協病院の入院件数が予算に到達せず、大幅なマイナスとなりました。

     これらの要因としてさまざまなことが考えられます。医療機関への受診、入院への流れがコロナ前と比べて変わってきています。そして、病院内で複数人のコロナ感染者が出ると、入院の制限をしなければなりませんでした。

     なかなか収益が得られなかったこと、後継者問題や事業継続の課題もありました。この一年間では、荒川生協診療所通所リハビリテーションを廃止、また生協北診療所の透析部門の終了の決断を強いられました。

     事業所の利用者・患者の皆さんには、他事業所を紹介して移っていただかざるを得ませんでした。地域で支えてくれる組合員・職員には、事業継続ができなかったことを大変申し訳なく思います。




    求められ担う役割明確に

    病棟転換で利用しやすく


     これまで王子生協病院は急性期一般病棟、地域包括ケア病棟、緩和ケア病棟、回復期リハビリテーション病棟と4つの病棟運営をしていました。しかしこの6月からの診療報酬の改定にともない、この地域での私たちの役割と経営的な観点を踏まえ、急性期一般病棟を地域包括ケア病棟へ転換しました。

     地域包括ケア病棟とは「ポストアキュート(※1)」「サブアキュート(※2)」の患者を受け入れる役割を担う病棟です。診療報酬上の届出や運営が変わるだけで、大きな変化はないと理解してください。これを機に、私たちは組合員にとって利用しやすい病院となるよう努めていきます。

     東京ほくとは1948年事業開始し、1956年に病院を建設。この地で地域医療の先頭に立ってきました。

     建設当時から2000年頃まで病院完結型の医療が提供できるよう運営してきました。この間の医学の進歩もあり、今では「地域完結型医療」すなわち地域にある複数の病院が、それぞれ急性期、回復期、慢性期と役割を分担、病院間で連携して地域の患者を支える医療に変わりました。

     例えば、脳卒中を発症すると、まず急性期病院に入院して初期治療を受けます。そしてリハビリを行うため、回復期を担う病院に転院した後に自宅に帰る。そのような病院間連携で対応することになりました。王子生協病院の地域包括ケア病棟も、病院機能、地域におけるポジショニングを踏まえての転換です。




    確信持って事業推進を
    さらに需要高まる中で

     

     このような変化があった一年でしたが、東京ほくとだけでなく、医療・介護における事業展開は、今さまざまな課題に直面しています。6月からの診療報酬改定では、多くの医療機関で収益がマイナスとなる試算が出され、どのように経営改善すべきか、混乱しています。

     長期的な視点からは、人口減少から生じる職員の獲得・育成課題も大きな問題です。医療・介護職員はエッセンシャルワーカーで、今後ますます需要があると考えられます。

     しかし人口減少により労働者人口が増えず、各産業間での労働者の取りあいとなってきています。より良い条件、賃金が良く・自由な時間が多く取れるところに労働者が集まりやすいとも言えます。

     このように医療・介護の事業は、国が決める診療報酬の課題、人口減少の時代と、外部要因による経営的影響が大きくなっています。そのような問題に対して、私たちが声を出し、住みやすい社会をつくっていくことも重要です。

     そして私たちが行う医療・介護、法人のもつ理念に対して確信を持つこと、その上で後継者確保、育成を進め、この事業を継続することが大切です。




    地域完結型医療が重要に

    健康を守る拠点の活動も


     2020年総代会では、第3次中期計画が承認されました。せっかく建てた計画も、コロナ禍で影響が出たと言わざるを得ません。今年は最終年になります。私たちの計画を再度確認し、次につなげるべく活動を前進させましょう。

     人生100年と言われる今日、地域完結型医療の中で、治す医療から生活を支える医療の重要性がますます大きくなってきています。東京ほくとは住民の身近な存在として、地域の主治医、生涯の生活支援者として、この地で組合員の健康を守る拠点となるよう活動を続けていきたいと思います。

     職員、組合員が方向性を同じくする。そして事業所だけでおさまらず、組合員活動を強みとして活動すべく、ウィズコロナの時代へ、事業を進めていきましょう。


    ※1 長引く急性期の治療や回復期のリハビリが必要な状態
    ※2 年齢に関係なく、在宅や施設で療養中など生活支援が多い状態下の緊急対応



概要

法人名 東京ほくと医療生活協同組合
住 所 〒114-0003 東京都北区豊島3-4-15 本部総務部
連絡先 TEL 03-3927-8864(代表) / FAX 03-3927-9750
事業所一覧
病院(1)、診療所(7)、歯科(1)
王子生協病院、生協北診療所、生協浮間診療所、鹿浜診療所、江北生協診療所、北足立生協診療所、荒川生協診療所、汐入診療所、生協王子歯科
訪看ST(5)
訪問看護ステーションほくと、サテライト十条、サテライトたんぽぽ、サテライト虹、サテライトなでしこ
ヘルパーST(2)
ヘルパーSTのぞみ、ヘルパーST虹
居宅介護事業所(3)
居宅ハピネス、地域ケアセンターわかば、地域ケアセンターはけた

通所リハビリ(2)
荒川生協診療所通所リハビリ、鹿浜診療所通所リハビリ
デイサービス(2)
荒川生協診療所あらかわ虹の里、デイサービスセンターなでしこ
施設介護(2)
認知症対応型グループホーム ほくと ひまわりの家、都市型軽費老人ホームほくと西尾久虹の家

※病院 159床
(回復期リハビリ病棟42床、緩和ケア病棟25床、一般急性期病棟47床、地域包括ケア病棟45床)

定款
生協概要 組合員数:29,124人
出資金額:14億2,304万円
(2024年6月1日現在)
支部数:37支部 
班数:430班
機関紙名:「東京ほくと」月1回発行
機関紙配布者数:1,433名(手配り配布率 89%)
組織運営
1)総代会(年1回 6月)総代300名
2)理事38名 監事5名
3)理事会(月1回)
次世代育成支援
「行動計画」

無料法律相談会

開催日と開催場所は、
東京ほくとからのお知らせ・新着情報を
参照してください(随時更新)

東京ほくと医療生活協同組合は、東京北法律事務所のご協力で無料法律相談会を開催いたします。相続、借地借家、債務整理など、民事に関わることの相談に対応いたします。東京ほくと医療生活協同組合の組合員(医療生協に加入されている方)が対象となります。相談にあたりましては、事前の予約が必要です。相談時聞は一人あたり45分程度となります。

  • 費用は無料です。
  • 継続して法律相談をされる場合は有料となる場合があります。
  • 利用できるのは東京ほくと医療生協の組合員です。
  • 完全予約制です。
  • 事前の予約が必要です。
    予約先(03)3927-8864(法人総務部)