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【病気の話】熱中症の防御と対応方法~気温・湿度が高い時期は特に注意~

2022/06/15 東京ほくと
 梅雨が始まり、熱中症に注意が必要な時期になりました。熱中症は真夏の屋外で発症すると思われています。しかし体が暑さに慣れていない梅雨の合間の、急に気温が上がった日なども注意が必要です。
 熱中症を起こす要因は3つあります。1つ目は環境です。強い日差しが当たる場所、気温や湿度が高い場所は体の熱が放出されづらくなります。特にエアコンをつけていない室内は、気温、湿度ともに上昇しやすく危険です。
 2つ目は体の状態です。高齢者や乳幼児は、暑さやのどの渇きへの反応が鈍いため、水分摂取が不十分になりやすい特徴があります。健康な成人でも、下痢などによる脱水状態や二日酔いなど体調が悪い場合に、熱中症のリスクが高くなります。
 3つ目は、激しい肉体運動や屋外での長時間作業、水分補給ができない状態での作業などが熱中症のリスクとなり、これらの要因が重なることで熱中症を発症してしまいます。
 実際に熱中症になると、軽い場合はこむらがえり、立ちくらみ、生あくび、全身のだるさなどの症状が出て、進行すると、異常な発汗、頭痛、吐き気、嘔吐、下痢などの症状が出ます。重い場合には意識障害などを引き起こし、最悪の場合は死亡することもあります。1990年の夏に、東京では200人が熱中症で亡くなっています。
 熱中症になってしまった場合は、まず体を冷やす必要があります。日陰や、クーラーの効いている涼しい場所へ移動し、冷たいものを当てて体を冷やしましょう。特に首、足のつけ根、わきの下には太い血管があり、氷のうなどを当てることで効率よく体を冷やすことができます。
 そして汗が蒸発するように服をゆるめ、あおいで風を当てましょう。霧吹きなどでミストをかけてあおぐことも有効です。
 さらに、水分や塩分をしっかり摂り、病院の受診を検討してください。嘔吐をしていて水分摂取ができない場合は迷わずに病院受診をしましょう。ぐったりして意識がない場合は命の危険があるため、すぐに救急要請を行ってください。
 熱中症は予防することが重要です。外出時にはなるべく日陰を歩いたり、帽子などで直射日光を避けましょう。
 室内では、ブラインドやすだれで直射日光をさえぎるようにし、扇風機やエアコンを使用して室温・湿度を調整しましょう。服装は、通気性の高い綿や麻などの素材の服や、熱を逃しやすい襟や袖口があいたデザインのものもおすすめです。
 気温が高い日には、気づかないうちに汗をかいて水分が失われやすいので、のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう。大量に汗をかいたときには、塩分の補給も忘れずに行ってください。

生協浮間診療所 所長 鍋島悠子

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