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2016/06/15 東京ほくと
生協北診療所の透析室

生協北診療所の透析室

生協北診療所に最新の透析装置を導入します

現在34床の透析施設
 生協北診療所透析室の歴史は古く、1974年11月30日に旧北病院が開設され、透析室もほぼ同時期に開設しています。当初、数床で行っていましたが、現在は34床の透析施設となり70数人の患者さんが透析治療を行っています。
 様々な疾患により腎機能が低下したことが原因で、透析治療を行います。疾患の要因として、腎臓自体が悪くなる場合と何らかの原因で二次的に腎臓の働きが低下する場合があります。
 また、糖尿病の方が腎機能低下によって透析治療に移行するケースもあります。腎臓の働きは、尿を生成して排出します。また、ホルモンの分泌も行っています。腎機能低下とは、これらの働きが低下した状態を指します。

透析治療の流れ
 透析治療は、血液を体外に出して、出した血液を人工腎臓の中を流れて体に戻します。人工腎臓では、血液と透析液が膜を介して血液中の老廃物、余分な水分を取り除きます。また、ナトリウム・カリウム・カルシウム等の電解質の調整も行います。

治療環境の整備
 当診療所では、透析治療を週3回3時間~5時間と長い時間治療を行うので、患者さんが少しでもストレスにならないようにテレビを各ベッドに設置し、透析治療そのものが負担にならないように対処しています。高齢の方々が年々増加傾向にあり、歩行困難な方が多く見受けられます。送迎車での送り迎えを行い、少しでも多くの患者さんが透析治療を受けられるように努力しています。

血液濾過透析が可能
 今年度、透析装置をすべて新しく入れ替えることになりました。
 更新の重要な条件のひとつは、市販の輸液を使用せず、透析液を輸液に使用した血液濾過透析を全台出来ることにすることでした。透析液を輸液にした血液濾過透析を行うことで、輸液量・濾過量を大幅に増やす事が出来、透析患者さんの予後を改善することになります。またこの治療は心臓への負担が少なく、血圧の低い方に有効であり、貧血が改善して栄養状態が良くなり、透析治療に有効と報告されています。

生理食塩水が不要に
 従来、透析医療を行うときには、生理食塩水で人工腎臓・血液回路内を洗浄してから治療を行います。治療中も血圧低下などした場合は生理食塩水を補液して改善していました。今回、透析液輸液による血液濾過透析では、生理食塩水を使用しません。透析液で人工腎臓・血液回路の洗浄、血圧下降時の補液もすべて透析液で行います。災害時における輸送量削減にもなります。
 透析液を使用するため水質の管理は欠かせません。年間計画を立て計画的に水質測定を継続して行っています。
 最新の透析装置を導入することで、引き続き患者さんに安全・安楽で安心出来る透析医療の提供を行なっていきたいと思います。

臨床工学技士 技士長
 末廣 徳

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