病気の話 マイコプラズマ肺炎の特徴と対応
「肺炎」という言葉は聞くと思いますが、「マイコプラズマ」という言葉を聞いたことはありますでしょうか。今回は「マイコプラズマ肺炎」についての話です。
「マイコプラズマ」という病原体が原因でおこる肺炎のことをマイコプラズマ肺炎といいます。肺炎の原因となる菌やウイルスなどの病原体はたくさんありますが、60歳未満の方の肺炎ではマイコプラズマ肺炎が多くみられます。
マイコプラズマ肺炎はこのような年齢の特徴もありますが、他の肺炎と比べると咳がひどい、肺炎のわりに軽症のことが多い、といった特徴があります。また感染した人の咳や痰でうつるため、家族内で何人か発症した、というようなこともあります。
症状
症状はいわゆる風邪と同じように、発熱、咳、頭痛などですが、先ほど話したとおり、咳がひどいのが特徴です。周りで同じような症状の人がいて咳がひどいときはマイコプラズマ肺炎の可能性がありますが、そのような症状がすべてマイコプラズマ肺炎なわけではなく、頻度としては普通の風邪が圧倒的に多いのが実際です。
治療
もしマイコプラズマ肺炎であった場合、ほとんどの方は入院せず抗菌薬を飲むことで治ります。他の病気でもそうですが、抗菌薬は決められた日数を最後まできちんと飲み切ってください。また、前述のとおり他の人にうつしてしまう可能性がありますので、熱のでているあいだは学校や仕事を休み、解熱後も咳の残るあいだは必ずマスクをして手洗いをよくしましょう。
休養が大事
マイコプラズマ肺炎について説明しました。まとめると、60歳未満に多く咳が強く出る軽症の肺炎ですが、疑わしいと思ったら周りに熱が出て咳をひどくしていた人がいなかったか考えていただき、あてはまる場合には診察時にお伝えください。そしてもしマイコプラズマ肺炎と診断された場合にはきちんと抗菌薬を飲み切ること、解熱するまで自宅で休むこと、咳があるときはマスクをすることが大切です。
①感染
②潜伏期間 約2週間~3週間以内
③発症 1週間~2週間
④回復期 咳は1ヵ月ほど続くことも
②③の期間は他人へ感染させてしまう期間です
発熱が収まっても咳は長期的に続くケースもありますので注意が必要です