【医療と介護の現場】 温かい心を胸に一歩ずつ歩む
2017/12/20 東京ほくと
今年3月末に閉鎖した老健ほくとはなみずきで介護士をしていました。念願であったケアマネジャーに就いたものの、莫大な情報把握と調整、想像以上のパソコン業務、一人ひとりの個別介入に苦慮し、挫折を繰り返していました。考えの甘さを痛感し、入所施設の介護職がケアマネに転換するのは無理ではと迷い諦めかけていた頃です。
初めて介護サービスを利用する方を担当、Sさんは92歳の単身女性、自宅で転倒し足を骨折。王子生協病院に入院、熱心なリハビリで歩行器を使用して歩けるまでに回復しました。「頑張らないとね、家に帰ったら大変だから」と笑顔が輝いていました。懸命に努力される姿を垣間見、人間は何歳になっても前を向いて歩んでいかねばならないことを改めて学び、心新たに仕事に取り組む覚悟ができました。
異動から半年が経ち、やっと利用者さんやご家族と楽しい話ができるようになりました。さらにそれらの心の繋がりから、少しずつ自信が持てるようにもなってきました。今日まで紆余曲折し生きてきた人生、これからも笑顔で心豊かな生活が送れるよう、地域で支え合い暮らせるようその一助の役割を担いたいです。まだ一抹の不安はありますが、北病院、ショートステイけやき、老健ほくとはなみずきで20年働いた歳月と皆様からいただいた教え、温かい心を胸に「今できていることを大切に。あとは一歩ずつ」という上司からの言葉を支えとし、今後も精進していきます。(地域ケアセンターわかば・ケアマネジャー・渡辺るみ子)