誰もが安心して住み続けられるまちづくり

この思いとどけ 「こども食堂」

2018/04/04 東京ほくと

豊島虹のセンターで第2・4火曜日開催

 2008年頃から「子どもの貧困」が社会的に注目されるようになり、2010年にかけて孤食の解決、地域コミュニティの連携など子どもに関する活動が活発化してきました。2012年には「子ども食堂」の名が用いられ、急速に全国に広がり、現在約600ヵ所とも言われています。

 

地域の大きな家族に

 私は東京ほくと医療生協の職員として、制度教育や全職員学習会を通して、貧困格差の問題を学習してきました。湯浅誠さんや藤田孝典さん、栗林知絵子さんのお話は、貧困が子どもや若者、高齢者にどんな影響を与えているのか、日本が抱える問題と、私たち一人ひとりがどう向き合っていくのか考える機会となりました。
  ひとつの家族では解決できない課題も、地域が大きな家族として捉えられれば、不足しているところを補い合うことは、そんなに気負わずにできることではないか、いつもやっている食事づくりなら私たちにもできる。と栗林さんからも背中を押されました。
 忙しくて食事をつくるのが大変、子どもが一人で食事をするようなことがある、食事に掛ける費用が不足しているなど、課題は違っても地域に居場所があって、みんなでがやがや食べられたらいいな。そんな思いが募っていきました。

看護師 油座よしや

 

笑顔あふれる食堂
 3月15日の献立は、カレー、サラダとデザートに生クリーム入りのヨーグルト。常に参加するスタッフに加えて仕事帰りの職員や大学生などのお手伝いもあり、台所はいつもにぎわっています。手際のよい調理で、5時半には2組の母子が訪ねてきました。
 子どもどうしで小さな子にお箸をとってあげたり、一人で参加の小学生には、中学生が自宅まで送っていくなど、知らず知らずのうちに社会性も身につけていくのでしょう。メニューのつくり方や子どものことなど、お母さんたちの会話に花が咲きます。
 なんといってもスタッフの皆さんが楽しんで行っているのが継続できる秘訣なのでしょう。食事が終わるころに「洗い物」に来てくれるスタッフもいます。
 商店街からお肉、野菜などを安くしてもらったり地域に根ざしていることからも、まさに「食堂」といえるでしょう。

(編集委員・石原妙子)