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2018/10/24 東京ほくと

地域の居場所・つながりの場に「オレンジカフェ」オープン

認知症の方と家族を支援
 2015年の認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の一つに、「認知症など高齢者にやさしい地域づくり」というのがあり、その中で自治体での「オレンジカフェ」の開設を促しています。「オレンジカフェ」とは、認知症について情報を共有し理解し合う場、認知症初期の適切な助言と支援につながる場として、認知症の方と家族の支援を目的としています。

経験や悩みの交流 専門家がアドバイス

王子生協病院「さくらカフェ」

みんなで元気よく体操(王子生協病院)

 北区では現在24か所でオレンジカフェが行われています。内2ヵ所で会場提供や看護師参加で東京ほくとが関わっています。
 王子生協病院のメモリー外来(もの忘れ外来)に通院中の方やご家族から、軽度認知症の方で介護サービスを使えない方や、介護をするご家族が話し合える場がないという話をよく聞き、外来を行っている今泉貴雄医師の発案で「さくらカフェ」が2014年に発足しました。
 病院の高齢者ケア委員会を主体に、カフェでは組合員ボランティアさんの協力の元、認知症についての学習や、公園を散歩したり、組合員さんの協力で季節に合わせた折り紙を貼って一つの作品を完成させたりしています。最近では、ハーモニカと共に参加者全員で合唱するのが定番となっています。
 参加される方は、ご夫婦や親子で来られる方、ご本人一人での参加、ご家族だけの参加と様々ですが、皆さん表情も豊かで、楽しそうに参加していただいています。ご家族同士の交流では、ご自身の経験や悩みについて話され、ご家族同士の会話の中からヒントをみつけてもらえるようにしています。
 カフェをきっかけに、介護サービスの導入に至った方、普段家では見られない夫の元気な歌声を聴いて喜ばれる奥さんもいらっしゃいました。病状の進行などから、具体的に介護サービスなどが必要と判断した場合はご家族の了承を得たうえで、医療相談員を通じて地域の高齢者あんしん(地域包括支援)センターにご紹介することもあります。
 今回北区のオレンジカフェに登録し、「さくらカフェ」として毎月開催することになりました。

(王子生協病院認知症看護認定看護師・千葉幸子)

気軽に立ち寄れるつながりの場に

荒川生協診療所「オレンジカフェ」

転ばん体操のメンバーも参加

 荒川生協診療所の患者さん、デイサービス、通所リハビリに来所される利用者さんには認知症の方も多くいらっしゃいます。ご家族が介護の苦労や悩みなどの体験共有、気軽に相談できる安全な場所が少なく、当事者や家族が孤立してしまっている実態があるのではないかと考え、そういった声に応えられる場として、診療所での「オレンジカフェ」開催を決めました。
 診療所でのカフェは、認知症の有無にかかわらず、近頃人づきあいや外出が減ってしまった方、もの忘れが最近心配だけど誰に相談していいかわからない方、身の周りに心配な人がいるけれど、どうしたらいいかわからないという方々が気軽に立ち寄れる、地域のみなさんの「居場所」、「つながりの場」にしたいと考えました。
 9月15日(土)、診療所3階のリハビリ室にて、第一回目の「オレンジカフェ」を開催しました。
 初めての取り組みということもあり、不安もありましたが、24人の方が参加くださり、大盛況でした。運営では、地域包括支援センターの保健師さん、荒川地区認知症キャラバンメイトの皆さんの心強い支援をいただくことができ、慣れないながらも何とか成功させることができました。
 荒川区では初めての医療機関併設型カフェとして、行政でも注目されているようです。

(荒川生協診療所事務長・佐藤直史)