誰もが安心して住み続けられるまちづくり

インフルエンザについて

2016/10/19 東京ほくと
汐入診療所所長 医師 村山 慎一

汐入診療所所長
医師 村山 慎一

 今年もインフルエンザの時期がやってきました。インフルエンザは毎年11~12月頃から流行が始まり、1~3月頃にピークを迎えるのが例年の動向です。

生活環境の変化で季節外の罹患

 今年は足立区や茨城県などで9月にインフルエンザによる学級閉鎖があり、季節外れの罹患がみられていますが、通常は寒暖差が大きく湿度が下がり乾燥が強くなる時期に流行するのが一般的です。エアコンが強く効いた空間で長時間過ごすと体も冷えやすくなり、体の免疫力が落ち、風邪をひきやすくなります。湿度が低くなるとウイルスも活発に動き出すと考えられ、沖縄では毎年夏にもインフルエンザは散発的にでており、季節外に罹患することも考えられます。
 インフルエンザ対策のポイントをまとめておきますと、こまめな手洗い、休養・栄養・水分補給、咳エチケット、適度な室内加湿・換気、それから予防接種となります。今年は、例年通りの動向ではないようですが、一般的にはワクチンの接種は11月頃以降で接種するのが望ましいと考えます。あまり早く接種をした場合シーズン終わり頃にはワクチンの効果がきれている可能性が考えられるためです。予防接種の回数は、13歳未満では接種の回数は2回接種になります。

ワクチン接種で軽微に

 インフルエンザにかかってしまうと、38度以上の発熱やせき、のどの痛み、全身の倦怠感や関節の痛みなどの全身症状がでます。症状が重くなりやすいハイリスク者として、高齢者・妊婦・小児・喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)・慢性心疾患・糖尿病・腎臓病などの基礎疾患のある方では、インフルエンザの症状が重くなり、持病が悪化して重症化する場合があり注意が必要です。ワクチンを接種している場合は、症状が軽微で、通常の風邪とわからない場合もあります。検査キットとして、鼻汁抗原を検査する迅速キットを病院や各診療所には置いてあります。

早めの受診を

 抗インフルエンザ薬は現在4種類がでておりますが、タミフル、リレンザ、イナビルといった薬を使うことが多く、小児では診療所や病院で1回吸入することで治療が完結するためにイナビルは使いやすい薬です。まだ吸入がしっかりできない年齢では、タミフルのドライシロップを使用します。成人では、タミフルカプセルやリレンザ吸入などの選択枝があります。抗インフルエンザウイルス薬の服用を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排出量も減少します。
 罹患して時間経過した段階で受診した場合、抗インフルエンザ薬は使用せず、対症療法のみであったり、麻(ま)黄(おう)湯(とう)を使用する場合もあります。主治医に相談してみください。
  
 インフルエンザワクチンは65歳未満は組合員価格3500円(一般5500円)で予約の上、実施しています。公費対象(65歳以上)の方は区によって異なりますので、予診票でご確認ください。

{title}New