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ポリファーマシー学習会

2021/05/26 東京ほくと
〝その薬、必要ですか〟

3月、高齢者ケア委員会は、職員向け学習会を開催しました。武正聖子薬剤師を講師に、「ポリファーマシーについて」でした。
「ポリファーマシー」とは必要以上の薬剤や不必要な薬剤が処方されていることを言い、薬剤による副作用の増加や、薬を管理するのが難しくなってしまうことにつながります。


入院時にたくさんのお薬を持ってくる方がいます。お薬手帳をみると様々な病院にかかっていることが分かり、外来カルテに詳しく薬の中身が書かれていないこともあります。そんなときはまず薬局で薬の残数や飲み忘れがないか確認、お薬手帳がない場合でも、お薬から中身を鑑別してもらいます。すると同じような効果のある薬が入っていることもしばしば…
ポリファーマシーがいけないのは、先にも挙げた通り、副作用の増加や服用時の手間が増え、飲み間違えや飲み忘れが増えてしまうことや医療費の増加などがあるからです。高齢者は複数の病気を持っていることがあるため、たくさん薬を飲まなければなりません。慢性的な病気もあるため、長期間の内服が必要です。
統計的にも高齢者は服用率が高く、65歳以上で5種類以上内服している割合は2割ほど、75歳以上で5種類以上内服している割合は4割以上と高くなっています。高齢者の薬物有害事象および転倒の発生率は、入院患者さんでは6種類以上、外来患者さんでは5種類以上でリスクが増加するといわれています。そのため5~6種類以上がポリファーマシーの目安と考えられます。
学習会に参加した職員からは、「薬の影響で身体機能や精神機能の悪化につながり、本当に必要な薬剤は何か考えるのが重要である」「ポリファーマシーという言葉を初めて聞いた」との声も聞かれました。
入院はお薬を見直す絶好のチャンスです。内服の量や回数の見直しをするにも変化が分かり、また薬剤師より詳細な説明を受けることもできるので、患者さんの安心につながると改めて感じました。

(認知症ケア認定看護師・千葉幸子)