医療と介護の現場 ― お寿司を食べにいこう
2018/03/21 東京ほくと
平成23年から訪問を開始したAさん。胃を全摘、多発性脳梗塞、胸部大動脈瘤術後の方です。在宅療養で、安定した生活を送っていましたが、病状の悪化で食事が摂れなくなり、体重が減ってきていました。奥さんは何とか食べてもらおうと、好みのものを準備されていましたが、食事が摂れないことは諦めているようでもありました。
ある日、娘さんと回転寿司に行ったことが嬉しくて「また連れて行って欲しい」とおっしゃっていました。その話しを聞いたナースが「Aさんと回転寿司に行こう」と提案。スタッフの提案を大切にする、ノリの良い王子ステーションです。全員が賛成で、すばやく日程を決め、段取りを考えて実行。所長が自宅にお迎えに伺い、他のスタッフは店で待機し到着を待ちました。平日夕方は空いており、車椅子で楽に移動できました。Aさんと奥さんの間にナースが入りお世話をし、奥さんにもくつろいでいただきました。Aさんは大好きな穴子やほたてを美味しそうに召し上がっていました。スタッフも、お寿司を食べ、おしゃべりを楽しみました。
病気や障がいがあっても、誰もが健やかで穏やかな日々を送りたい。希望や目標を見出して、それをかなえたい、と願っています。看護師になったときから、『患者さんの希望をかなえる看護をしたい』と考えていました。今回のこの計画で、看護師が体調を整え、具体的な希望や目標を引き出し、実現させるお手伝いができることを実感しました。(王子訪問看護ステーション・五津恭子)