医療と介護の現場 サービス利用で社会参加につながる
2017/05/24 東京ほくと
穏やかで過ごしやすい季節となりました。あわただしい日々の4月からもう一ヵ月も経つのかと時間の流れの速さを感じています。
日々患者さんと関わる中で経済的支援、社会保障制度等の相談がきっかけとなり、私たち医療相談員が関わっていくことがあります。その中で、私が印象に残っているケースは、成人してから知的障がいの診断のついた方への支援です。障がいに気付かないまま生活していた方が、大人になり発病したことをきっかけに、相談員のような専門家が関わることがあります。
相談員が話を伺うと「昔から覚えることが苦手で、学校のテストもいつも点数が悪く、よく母親に怒られた」「仕事がしたいけど、うまくいかない」など様々な困りごとを聞きました。本人と関わる中で、現在の生活に支障が出ていることは発病が原因ではなく、昔からの困りごとであったことがわかりました。そのため、相談員の方から障がい者手帳を取得することや障がいサービスを利用することで、社会参加に繋がることが可能であると本人や家族に提案しました。その後、利用に結びつきました。
今回の支援を通じて、障がいのサービスは相談者自ら動かないと導入出来ない現状があること、障がいという知識がないために生活の不自由さを感じたまま生活している人がいることを知りました。医療者として、これからも障がいサービスの提案などを積極的に行っていくことが必要であると改めて感じました。
(王子生協病院地域連携室医療ソーシャルワーカー・岡﨑奈央子)