地域の医師は地域で育てる
王子生協病院の家庭医療専門医育成プログラム
後期研修医としてスタート
王子生協病院は、2006年にプラマリケア学会認定の家庭医療専門医育成プログラムをもち、いま東京ほくとで働く若い常勤医師の多くがこのプログラムの出身です。3月24日は丸山医師の初期研修修了式でした。王子生協病院をはじめ各診療所のスタッフ、みさと健和病院の医師、医学生含め、当日は30人が参加して行われました。
丸山晃央(みつひさ)医師が初期研修終了
前半は修了試験(客観的臨床能力試験)です。外来診療室を使って模擬患者さんに診察を行い、医師と看護師が評価します。
①患者中心の診療スタイルを身に付け、医師としての基本的な知識・技能・態度・価値観を養うこと、②地域医療を担う家庭医・総合診療医に求められる小児科領域の質の高いプライマリ・ケアを実施できること、③小外科手技を身に付けること、を目標に、5つの症例(成人・高齢者・小児・小外科手技・救急ACLS)について実技試験を行いました。
毎年、この日のために、大勢の医師たちが休日返上で、或いは当日の救急当番・在宅当番・病棟当番を担って現場を守り、後継者育成の貴重な時間が生み出されます。ここまで準備・協力してくださったすべての皆さんの力の結集です。
大勢の人たちに支えられた研修
後半は、2年間の研修の振り返りを発表しました。
毎日の業務をこなしながら提出しなければならない課題レポートの山。「腕」「知識」も〝発展途上〟で自分にどこまでできるか問い続ける日々。当日も360度全方位から注視され、緊張で汗だくになりながらの実技試験…。「ここまで大勢の人に支えられてきた」「どのくらいまでできているかを客観的に知ることができた」「振り返りの重要性」「後期研修医にむけての新たな課題の検出」「研修に関わった方に自分の成長した姿を見てもらえてよかった」ことなどが語られました。
「修了証」を手に決意
それを受けて、先輩医師からも貴重なコメントをいただきました。
「3年目からは後期研修医。責任を負うことが成長に繋がる」「自分の足りないところをわかることが大切」「技術面で細かい課題は色々あるが、医師として患者を尊重する姿勢、にじみ出る誠実さは大切な素質」「不安に思ったらどんどん聞いてほしい。これで本当にいいのか、自分のやっていることを客観的に問い続けることは指導医になっても必要」
最後に院長の今泉貴雄医師、コーディネーターの神田美穂医師から笑顔で修了証と花束が贈呈されました。
こうして丸山医師はいよいよ4月から、後期研修医としての3年間をスタートさせました。
(王子生協病院事務次長・斎藤智恵子)