誰もが安心して住み続けられるまちづくり

家族に支えられて看護師に

2017/02/01 東京ほくと

「中国語が話せる」ことが頼りにされて

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 汐入診療所看護師 島野 海英(かいえい)さん(35歳)


 高層マンションが立ち並び、スカイツリーがそびえたち、目の前は広々とした公園、そんなところに汐入診療所があります。その診療所で昨年の4月から看護師として働く島野さんは中国の河北省の出身です。旅行関係の学校を出て北京のホテルのフロントで働いていたときにご主人との出会いがあり、結婚して日本に来て12年になります。
 初めての出産はとても心配だったのですが、そのときにとても親切な看護師さんのお世話を受けたことが、看護師になるきっかけになりました。日本語の勉強をしながら看護大学に入学し2011年に卒業しました。お子さんは10歳、5歳、2歳。いろいろ助けてくれるご主人のご両親と同居の7人家族。家族のささえがあってこそ、仕事を続けられるとおしゃっていました。
 診療所には中国の方が来院することもあり、若い母親が言葉で苦労しているのをみると島野さんが医師との間で通訳します。汐入診療所には中国語が話せる看護師がいると、島野さんの名前を書いたメモ書きを握りしめて来た患者さんもいました。このときはとても嬉しかったそうです。島野さんの存在が口コミで広がっているのですね。病気のときに言葉が通じないのはとてもつらいことです。言葉の壁を克服した島野さんだからこそ気持ちがわかるのでしょう。流暢に日本語を話されますが、カタカナはちょっと苦手だそうです。
 2020年には東京でオリンピックがあります。「そのときには言葉を活かしてなんらかの形で貢献したい」と話されます。母国語である中国語をお子さんたちにも学んでほしいそうです。
 子育てをしながら何事にも明るく前向きに取り組んでいる島野さん、「中国語が話せる看護師」、地域でたよりにされています。

 (聞き手・石原妙子)