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必要な医療を受けるための制度 ~無料低額診療事業の利用を~

2024/06/26 東京ほくと

 無料低額診療事業は、社会福祉法に基づく「社会福祉事業」の一環として始まりました。「生計困難者のために、無料または低額な料金で診療を行う事業」と定められ制度化された事業です。

無料定額診療 延べ患者数

 当院は2015年4月より無料低額診療事業を開始しました。地域の高齢化が進み、経済格差が広がり、経済的な事情で医療にアクセスできない方が増える中、安心して医療を受けていただく制度として、現在まで継続して実施しています。
 無料低額診療事業は、生活や体調が安定するまでの一時的な措置として実施します。その間に生活保護など公的制度活用を促し、利用につながって「経済的理由で受診ができない状態」が改善すると、無料低額診療は終了していきます。
 公的制度を利用せず、無料低額診療を活用して治療を続ける中で収入も安定し、2年間で無料低額診療を終えたケースもあります。
 当院で無料低額診療を利用できるのは「経済的な理由で診療費の支払いが困難」かつ「一か月の収入が一定基準以内」の方です。対象となる診療費は、当院での保険診療費です。
 申請に際しては、基準に当てはまるかどうか判断するため、給与明細・年金証書など経済状態のわかる書類を準備して下さい。そして制度の利用を希望するときは、まず職員にお申し出下さい。医療ソーシャルワーカーと面談をして、制度の基準内であれば利用できます。お気軽にご相談ください。
 王子駅前公園で毎月開催する「なんでも相談会」(6面参照)には、当院看護師・医療ソーシャルワーカーが参加しています。診療時間内に病院へ来るのが難しい方は、ぜひなんでも相談会にもお越しください。  過去3年間で、のべ1050人が当院の無料低額診療事業を利用し、194万5000円の診療費用減免を行いました。
 現在も、毎月のべ十数人が当院の無料低額診療事業を利用しています。医療にアクセスできない方を減らしていくために、より多くの方に無料低額診療事業について知らせていき、病院側の受け入れ態勢を拡充していくことが次の課題だと考えています。(王子生協病院医事課長・折笠健)