誰もが安心して住み続けられるまちづくり

熊本地震災害支援報告 ストレスや生活不安をかかえて過した1ヵ月

2016/07/13 東京ほくと

ほくと7P2

地域に根ざした民医連とともに

 5月23日~25日に熊本市内にある「くわみず病院」に伺いました。熊本地震後急増した救急患者を、被災した医療スタッフが十分な休みも取らない中で必死に診察していました。そんなスタッフの負担を減らすために全国の民医連から医療者が派遣されていたのです。
 夜間にめまいや高血圧を主訴に来院される患者さんの中には、震源地である益城町の在住で、住宅が破壊されたためビニールハウスに数日間寝泊まりしていて、現在は息子の家に同居している。今後の生活が不安であると訴える人。避難所で生活していて、数日前から続く咳嗽が周囲の人の睡眠を妨げるのではないかと気になってストレスを感じている人など、地震から1ヵ月経っていましたが、地震に関連すると思われる訴えをされる方が多くいらっしゃいました。
 最近は熊本のニュースもめっきり減ってきましたが、今後長期にわたり続く復興の道のりの中で、今後も支援は継続して必要だろうと感じました。
 そんな災害支援の中で地域に根ざした民医連らしいなと感じたのが前泊の時です。病院の目の前に住む組合員さんのTさんのお宅に一晩お世話になりました。旦那さんが生前同僚を家に連れてくることが多く、その度に大量のご飯を作っていたというTさん。実は地震直前まで入院していたのにも関わらず、地震直後から支援に来る医療者を順番に泊めていたのです。
 地元の食材を使ったTさんの料理はとても美味しく、江津湖で鰻やすっぽんが取れることなど地域のお話もたくさん伺うことができました。災害支援を通して生まれた出会いでありますが、今、私はTさんに再びお会いする日がとても楽しみです。

王子生協病院 後期研修医 漆畑 宗介(うるしばた そうすけ)