理事会だより 2月18日
「あきらめないこと」が勝利への鉄則
―理事長研修in沖縄より―
理事長あいさつ
大山美宏
2月9日から11日まで東京民医連の理事長研修に行ってきました。高度300m以下を10数キロ飛行して、那覇空港に到着しました。これは米軍の制空権があるからです。飛行場には自衛隊の陸上、海上、航空自衛隊の戦闘機がたくさん止まっており、基地の島を印象づけました。小雨交じりの寒い日でした。
翌日、バスに乗り辺野古に向かいました。基地建設反対の座り込みテント村に行きました。案内の方に「あきらめないことが勝利の鉄則」と言われ、感心した次第です。工事を10年以上遅らせている、あきらめなければ絶対阻止できると話されました。キャンプシュワブのゲート前の抗議隊へ激励とカンパを渡してきました。
自然を破壊する辺野古新基地
辺野古新基地が建設されようとしている大浦湾は、去年の夏、沖縄にひとつも台風が来なかったことで、他の場所の珊瑚礁が相当に被害を受けたのに対し、大浦湾は2つの川が流れ込んでいるので、ほとんど無事とのことでした。その大浦湾を広大に埋め立てて基地を造ろうとしていますが、湾の対岸に向かって伸びる基地の端には、270mの強襲揚陸艦(きょうしゅうようりくかん)が接岸できる岸壁を水深30m、そして海面から10mの高さで滑走路を造るわけで、合わせて40mもの高さにコンクリートと土砂を埋め立て組みあげることは、とてつもないことだと思われます。珊瑚礁は全滅、ジュゴンは生息出来ない、外来種が沖縄の生態系を破壊するのは目に見えています。それ以上に普通に考えてできっこない工事と思われました。しかし安倍首相は、トランプ大統領との会談の中で、唯一の解決策として共同声明で強調しております。とんでもないことです。
オスプレイ墜落の場所は静かな憩いの場
そしてオスプレイが墜落した安部(アブ)に向かいました。海面を100mぐらいにわたって部品を散乱させオスプレイは墜落大破、もう少し飛行したら岸壁に激突という場所でした。一人が行方不明です。また、この静かな湾は、村人が小舟で魚とりをする場所であり、浜から200m程度のところでした。浜の人たちの遊び場です。部品は、まだたくさん残っていて危ないそうです。
思いやり予算でつくる基地
次に嘉手納基地へ行きました。羽田飛行場の2倍、極東最大の軍用飛行場で、スペースシャトルの緊急着陸飛行場にもなっているとのことでした。その隣の嘉手納弾薬庫はアジア・太平洋地域で最大の弾薬庫で、すべて地下にあり、復帰前にはサリンや核弾頭が保管されておりました。現在もクラスター爆弾や劣化ウラン弾が貯蔵しているとされています。 嘉手納の中に思いやり予算で、4階建て24床の病院を建設費85億円をかけて造ってやっています。とんでもない費用です。同じく日米会談の中では、尖閣諸島をアメリカは守るからと、公式に声明しましたので、表には出ませんでしたが駐留費全額出せとの要求がでてくるだろうとのことです。
そして22機のオスプレイが止まる普天間基地を見て、南風原(はえばる)陸軍病院壕を見ました。縦横1・8m、長さ70mの壕です。腐臭と悪臭、そして湿気の中でひめゆり看護隊、負傷者がいたのを思うと、この3日間で一番なまあたたかい場所でしたが、背筋が寒くなりました。
今年は「あきらめないことが勝利」とのことをかみしめていきたいと思います。