理事会だより 9月27日
理事長あいさつ 大山美宏
軍事攻撃はテロを呼び起こす
2001年の9月11日から15年、アメリカはアフガニスタンとイラクの政権を転覆させました。中東地域はさらに不安定さを増し、混乱に拍車がかかり、テロは拡散し、テロの脅威はまったく減少していません。ニューヨークの真ん中でテロが起きる事態です。
軍事攻撃で、ISを組織的に封じら込められるにしても、ISという現象は消滅させることはできません。逆に軍事作戦は多くの無(む)辜(こ)の民を殺し、一般市民の憎悪を呼び起こします。そして新たなテロ予備軍をつくりだすことになるのが教訓ではないでしょうか。軍事作戦でないものをつくりださないといけないと思います。
戦争法をめぐる動き
戦争法(安全保障法)が通って9月19日で1年、雨の中の国会前行動ご苦労さまでした。今の焦点は、沖縄の闘争、辺野古新基地阻止と高江にオスプレイのヘリパッドをつくらせないこと、そして南スーダンに駆けつけ警護を任務として付与された自衛隊を派遣させないことです。
沖縄の民意は揺るがない
沖縄では野党統一候補の伊波洋一氏が勝利した参議院選挙翌日の7月11日に資材を搬入、22日には全国から機動隊を導入し、反対する住民を暴力的に排除しヘリパッド建設を開始しました。さらに自衛隊のヘリコプターまで導入されました。沖縄には人権も法治主義もない、緊急事態条項の先取りのような状況です。
そして翁長雄志知事による辺野古の埋立承認取り消しに対する福岡地裁の判決は、「違法」と断じ、辺野古に基地をつくれと、まさに政府の代弁者に成り下がりました。ここには三権分立もなければ、司法の権威もありません。
大学生でオール沖縄会議の共同代表の玉木愛さんは、「いつまで沖縄を捨石にするのか」「ひどい判決が出たけど私は落胆しないし、県民の民意も決して揺るぎません」「安倍政権はアメリカの奴隷のようです」と述べています。
軍事力での解決はあり得ない
そして自衛隊に対して南スーダンへの駆けつけ警護を任務とする派遣がされようとしています。スーダンは内戦状態であり、JICAの職員は引き揚げており、日本人は大使館員若干名しかいない、それも夜は自衛隊の基地にいるという状態です。政府軍が国連PKOを攻撃するなど、まさに政府が崩壊している状態です。スーダンはイギリス・エジプト統治時代、イギリス単独統治の時代に分割統治され、そして植民地支配に対する住民の怒りを「部族間対立」にかえるために「部族」間抗争が煽(あお)られた経過があります。
現在、バシール独裁政権は南部を強制的にイスラム化した結果内戦となり、さらに1995年のケニア・タンザニアのアメリカ大使館爆破事件でテロ集団がいると空爆を行い、さらに混乱させたのです。2011年に南スーダンは独立しましたが石油問題で内戦となり、現在国家の体をなしていないといえます。この複雑なスーダンも軍事力で解決することはできません。PKOを出動させれば解決するものではないことは明白です。「誰の子どもも殺させない」「一人の自衛官も殺させない、殺さない」の声をあげて派遣を阻止しましょう。
いよいよ国会で憲法論議 9条の会を盛り上げる
9月26日より臨時国会が始まりました。自民党の憲法草案を試案にして討論を始めろと居丈高の安倍と自民党。9月25日には、3年ぶりに9条の会第6回全国交流討論会が開かれ、新たに12人の世話人が決められました。内橋克人、高遠菜穂子、伊藤真、伊藤千尋各氏など、小生が一度は逢っている方などが入っています。ますます全国の9条の会の運動をもりあげていかなければと思います。