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理事会だより11月19日

2016/12/21 東京ほくと

米国の新大統領選出と日本の役割

理事長あいさつ
大山美宏

 11月9日に、米国はトランプ大統領を選出しました。くしくも1989年11月9日はベルリンの壁が崩壊した日でした。そのときは、「冷戦の終了と新しい時代が来た」との観測がもてました。あれから27年たって、今回は、とんでもない大統領を選んでしまったと思います。不安と閉塞感のある日となりました。その背景を考えると、資本主義の勝利と称して、長年続いた新自由主義。多国籍企業の利益を最優先するグローバル資本主義の経済政策のもとで、本家の格差と貧困が広がり中間層の没落、深刻な行き詰まりと矛盾の反映と考えられます。
 反移民、女性蔑視、民族主義、白人主義などの怒りをうまく組織したもので、大統領選は人権や民主主義の価値を高める方向ではない大衆迎合主義(ポピュリズム)によるものとの闘いと言われました。

◇  ◆  ◇

 トランプ大統領の評価は実践的に考えたいと思いますが、上院下院とも共和党が過半数を占めており、格差は決して解消しない、さらに悪くなるのではないかと思われます。さらに、外交は現時点では不明瞭であります。
 しかし真剣に考える機会として受け止めるべきことがあります。米国の覇権国家としての力が落ちる、いわゆるパックスアメリカーナ(アメリカの支配による平和)はこれで終わりの始まりとも言われています。覇権国家の支配によるものでない、世界の在り方を検討しなければなりません。

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 一方、核兵器禁止条約の締結へ国連が動いています。締結されれば、アメリカは唯一他国へ核を配置している国ですが、これが出来なくなる可能性がでてきます。日本も核の傘がはずれることから、この条約の検討開始に反対したのですが、締結された後の世界の在り方を検討しなければなりません。

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 いずれも喜ばしいことですが、日本では、安倍政権により、国防軍をもつことや集団的自衛権の行使のほうへ議論がもっていかれる危険があります。
 平和の地域諸国連合と国連により世界の平和を、日本では現憲法のもとで9条による自主独立の平和外交ができるかどうか、非核・平和の地域共同体・諸国連合と国連中心の平和外交ができるかどうか、本当に考えるときがきていると思われます。

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