看護学生室だより 看護師をめざす学生に 安心して学べる環境を
「子どもが看護師を目指して…」「よかったね、将来安泰だよ」なんて親の会話が聞こえてきそうです。毎年5万5千人前後の看護師が誕生します。インターネットを開くと「高収入の看護師」のテロップが目にはいる時代になりました。
看護師になるには高校卒業後、専門学校を3年間か看護大学4年間を選んで、はじめての医療・看護の学習がスタートします。国が定めたカリキュラムに沿って授業と実習。東京ほくと医療生協の事業所各所も実習の受け入れを行い、看護師の卵の育成に関与しています。
看護大学の増加そして学費の高額化
2006年に、ある看護専門学校を訪問をした際に、事務長さんが「厚労省が入院基本料7対1を導入した。この制度しばらく続きますよね」と質問されました。数年後この専門学校が看護大学に変わりました。専門学校を大学に変えたところや、看護学部を新設する大学がこの10年間に増えました。看護大学は128校から250校になりました。
一方で、東京都の看護学校は2002年までは11校ありましたが、石原都政の切捨て政策で2003年から3年間で4校を廃止し、7校になりました。
私立大学の入試案内には「入学金・授業料・施設管理費・学校運営費」など、1年次で180万円から200万円、2年から4年まで160万円から180万円、と書かれています。ユニホーム代、教科書代などは別途かかるのです。実習になると場所によっては交通費が高額になり、場合によっては宿泊費も発生します。入学案内パンフレットに奨学金紹介のページがあり「日本学生支援機構」にアクセスして4年間の学費を捻出します。学生も家族も必死です。
東京ほくとの看護の奨学金
東京ほくと医療生協の看護の奨学金制度は月5万円を貸与しています。卒業後は借りた期間の就業が基本となります。東京ほくと医療生協の行事や学習会などに参加し、先輩看護師から実習に向けてのアドバイスや、「生命の大切さ」「憲法」などを学んでいます。昨年の病院の健康まつりには3人の奨学生が参加しました。
東京ほくと医療生協に共感し、ご家族の方も早々に奨学金の相談に見えます。昨今は電卓片手に書類の説明を行います。
「看護師になりたい」と決意した学生が、安心して学べる環境を求めて、高い学費にストップを!給付型の奨学金制度を!と願わずにはいられません。
(看護学生室看護師長・安藤和美)