誰もが安心して住み続けられるまちづくり

第80回 総代会 2019年度まとめ(案)

2020/04/15 東京ほくと

はじめに
2020年に入り、新型コロナウイルス感染症の流行は、暮らし、医療・介護、組合員活動にも制約をもたらしています。「正しい知識、理解で冷静に対応」し、この状況を乗り越えましょう。

1.東京ほくとの地域での活動
(1)地域まるごと健康づくり、ヘルスプロモーション

①44期健康づくり学校を開催しました。各支部から健康づくり委員を選出、昨年の22人から27人へ増えました。スクエアステップリーダー4人養成、3区のスクエアステップ体験会に64人が参加しました。多くの支部にスクエアステップのとりくみが広がりました。健康チェック用紙にフレイルチェックなどの項目を増やし改善しました。健康チェック学習会が開催され好評でした。健康チェックは18,378回(目標17,680回)、6,060人(目標1万人)でした。(2月末現在)
②今年の健康チャレンジ参加者は596人(目標1,000人)、キッズチャレンジは6人でした。1月の健康チャレンジ報告会に37人が参加しました。
③運動サポーター養成講座で9人全員が卒業し、すこやかサポーターとして活躍しています。転ばん塾では参加者のロコモチェックを行い効果が確認できました。地域生協との交流・企画の相互参加が進みました。2支部で地域生協と合同で「すこしお料理教室」を開催しました。
④「個人別健診年間計画表」を作成し、各支部で活用しました。荒川ラインウォーキングは新型コロナウイルス感染対策のため中止しました。
(2)たすけあいの活動の充実
①支部を単位にサロン活動を推進し、現在21ヶ所でサロンを開催しています。社協、商店街、地域団体などと協力し、食事会やお茶会・コーラスや脳いきいき、健康マージャンなどが継続しています。社協や地域との連携で、荒川地域で地域食堂が2ヶ所(「三ノ輪地域食堂」、「タヴェルナ(イタリア語で小さな食堂という意味)」)増えました。4月よりこども学習支援「ロコクラブ」が開設されました。
②7月から、病院や診療所から支部の組合員に依頼する「ささえあいシート」の使用を開始し、組合員による見守り活動が始まりました。
③8月26日に福祉たすけあいまつりを開催し、300人参加しました。東京都生協連主催「まちづくり」の会議へ参加し、生協間の連携が進んでいます。1月に北区社協、2月に足立社協、3月に荒川社協と懇談会を行いました。
(3)社会に働きかける運動 社会保障・平和・まちづくり
①職員、組合員が共同して格差貧困、医療・介護の問題事例を通して学びあい、憲法や平和を守る「気づき」になる企画を開催しました。
②現代の日本を左右する3つの署名(9条3000万署名、被爆者5000万署名、消費税10%NO!署名)に重点的にとりくみました。
③社保平和学校を3回開催しました。日本高齢者大会七福島へ38人の代表団で参加。ピースアクション・原水禁世界大会に参加し、核兵器廃絶の運動に幅広くとりくみました。
④なんでも相談会(荒川区、北区、足立区)を積極的に支援し、地域の困った問題に対し、どうしたら「相談しやすいまちづくり」ができるかの課題に挑みました。
(4)かかりやすい事業所の取り組み
①各事業所利用委員会で事業所視察を行いました。他法人(今年度は健康文化会)の見学と交流を行いました。各事業所のホームページを閲覧し、充実に向けた意見交流を行いました。
②「医療介護評価アンケート」に取り組みました。

2.事業活動
(1)新型コロナウイルス感染症対策

法人対策委員会を設置、定期開催し対策をとりました。機関紙ほくとに感染予防や組合員活動で注意することを特集で掲載しました。今後の推移は長期的になるとの見方もあることから学習、活動も工夫しました。
(2)医療・介護活動
①在宅強化のとりくみでは24時間対応にむけた体制づくりの協議をしてきました。訪問看護部門では事業所統合を検討しています。合同管理会議(1月11日)で健友会のとりくみを学びました。
②王子生協病院では病床の稼働を高めるため、職員全体で入院受け入れ、ベッド管理で奮闘しました。
③無料低額診療を診療所に広げられませんでした。事業のためには相談機能を高めることが必要になっています。
④認知症サポーター養成や医療・介護の倫理の学習会を行いました。
⑤居宅介護支援事業所ハピネスは特定事業所加算Ⅱを取得、一方で地域ケアセンターはけたは体制変更し、加算を外しました。北足立居宅介護支援事業所は3月で廃止としました。3月末にて福祉用具サービスハピネスは東京民医連の共同事業化に移行しました。介護職員の確保が厳しく、経営面の負荷が増えています。
⑥看護部は看護政策(~2023年度)を確定しました。
⑦事務部は事務つどいを開催、大山前理事長を講師に学び交流しました。
(3)民医連の綱領と歴史を学ぶ大運動・職員制度研修
「民医連の綱領と歴史を学ぶ大運動」にとりくみ、自分たちの存在意義を考える機会となりました。「接遇」がテーマの制度教育の受講者は管理者93%、職責者69%、一般62.3%です。新型コロナの影響で3月の講義は中止しました。未受講者を対象に来期も開催します。職責者対象に「労務管理」の研修を行いました。
(4)医師確保、養成、定着の取り組み
医師確保と養成および定着に取り組みました。
①2019年度の初期研修医は1人、後期研修医は4人(王子生協病院2人、生協浮間診療所/CFMD*1、北足立生協診療所/CFMD)、既卒医師は3人(王子生協病院・一般急性期病棟/血液内科専門医・2020年1月、王子生協病院・緩和ケア病棟/緩和医療専門医・2020年1月、汐入診療所・所長/家庭医療専門医・2019年5月)を採用しました。
②2019年度で後期研修を修了した医師は2人(王子生協病院、生協浮間診療所/CFMD)です。
③2019年度より認定された王子生協病院「総合診療専門研修プログラム」は更新されました。「新・家庭医療専門医専門研修プログラム」が認定されました(2020年より)。
⑤2020年度の日本緩和医療学会認定研修施設の取得をめざし、新規申請をしました。
⑥2018年度に創設された医師キャリア支援委員会により、個々の医師のキャリア形成や悩みに応えられる機能を果たせるようになりました。
⑦医師の働き方改革に伴い、時間外労働時間数や有給休暇5日間の取得の管理をすすめました。
⑧4月より初期研修医の確保のため、医学対は事務3人体制としました。

3.経営成績 2019年度決算
1月累計決算は57百万円。予算差約▲4百万の未達、厳しい状況です。予算に対し、事業収益は約47百万円のマイナス、事業費用は約44百万円のマイナスです。事業収益では入院収益が予算超過(20百万円)、訪問看護収益も予算超過(360万円)です。しかし、外来・透析・在宅・保健予防の各分野が予算に届いていません。事業費用では人件費が予算を大きく下回っています。計画した人員の確保ができていないためです。ただし、事業収益に対する人件費の割合は70.7%と高い水準です。財務状況は自己資金が174百万円、ほぼ前年水準です。現預金残高は359百万円、退職金の支払いが予定を大きく上回り資金減少しています。

4.第3次中期計画の策定


9月より策定委員会(3回開催)、分野別小委員会・事務局会議を開催し、作業をすすめました。討議資料を作成し、事業所、職場、支部で討議をすすめ、意見集約しました。1月の法人合同管理会議でミッション・ビジョンの検討作業を行い、それをもとに、策定委員会で「いのちと人権を守り、地域のひとびとと協同して健康なまちづくりにとりくみます」と決めました。

5.組織拡大・強化
<4課題の到達状況>(2月28日現在)

 

2019年度目標

2019年度到達

2018年度到達

仲間増やし

2,000

1,142

1,325

出資金増やし

1億5,000万円

9,530万円

1億1,218万円

班づくり

55班

9班

14班

班会開催

1,500

993回

1,158

担い手増やし

139人

56人

64人

 

・新しい風を吹かそう月間(6月~7月)では13支部で17人の新運営委員が誕生しました。
・支部長学習交流集会に43人が参加しました。荒川社協のコーディネーター職員を招き、住み慣れたまちで最後までくらし続けるために支部でできることを討議しました。
・夏期増資行動(6月後半~8月)には128人が参加し、606件訪問、増資365件・283万3000円が集まりました。冬期増資行動(11月末~12月中)には153人が参加し、806件訪問、422件対話、増資429件・352万円が集まりました。
・生協強化月間(10月-11月)では、台風など自然災害の中、389人の仲間を増やしました(昨年比59人増加、118%)。目標達成は6支部、3職場でした。特徴は、①新たな運営委員が増えた支部が目標達成、②地域一斉訪問、事前加入案内を郵送(もしくは事前配布)で成果が出た、③新ほくとパンフが好評だった、④サロンに参加した方を仲間に迎えた、が挙げられます。
・全国4課題は3支部(西尾久、汐入、堀船)が達成しました。(3月16日現在)

<用語解説>
*1 CFMD―家庭医療学開発センター(Centre for Family Medicine Development)は、家庭医療の教育・研究活動、診療所開発により医療生協組合員および地域の人々の健康状態の向上に資することを使命としている。日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療後期研修プログラムを運営。日本や世界各地で家庭医療のリーダーとして活躍できる人材を育成している。