誰もが安心して住み続けられるまちづくり

第80回 総代会 2020年度方針(案)

2020/04/22 東京ほくと

1.情勢の特徴
①新型コロナウイルス感染症が世界的に広がり、くらしや経済に深刻な影響を与えています。
②政府は「全世代型社会保障」と言いつつ、「自助・互助」「自己責任」を基調に、給付の削減とさらなる自己負担増を押し付けています。また安倍政権の政治の私物化、偽造・捏造に対して、国民の批判が高まっています。さらに、「憲法9条改憲」をかかげており、沖縄の辺野古新基地建設と、平和を脅かす政治を進めています。
④世界では「気候変動」「貧困と格差」「ジェンダー(社会的・文化的性差)平等」*2に若い世代が立ち上がっています。
⑤2020年度診療報酬改定の動向は全体で0.46%の引き下げとなり、物価、人件費の上昇にすら届いていません。

2.困ったときに助け合える、健康なまちづくりにとりくみます
(1)災害に強く、多様な人々が参加し支えあう、組合員活動

①世代別の関心や要求に合ったとりくみを重視します。
②災害学習会や防災・減災のとりくみをすすめます。
③SDGs*3のとりくみを事業所と地域で進めます。とくに未来を担う世代を巻き込んだ、地球温暖化をストップさせる運動とジェンダー平等社会の実現にむけた学習や連帯行動を行います。
(2)健康づくり
①健康づくり委員を全支部から選出します。
②転ばん塾,運動サポーターフォローアップ講座を開催します。
③健康づくり学校のリニューアルを検討し、新しい健康チェック、体力チェックにとりくみます。
④健康チャレンジ(10月-11月)の参加目標を1000人とします。
⑤行政との健康づくり懇談や、他団体の企画などに積極的に参加、交流します。
⑥第9回荒川ラインウォーキングを開催します。
⑦健康診断の受診率を上げるためのとりくみをすすめます。
(3)たすけあい活動とかかりやすい事業所づくり
①すべての支部で多世代を視野に入れたサロンづくりにとりくみます。
②「ささえあいシート」を有効活用します。
③災害時等のたすけあいと、顔の見えるつながりづくり・見守り活動をすすめます。
④自治体や社協、町会や商店街、学校や地域生協と連携し協力関係を強めます。
⑤「困ったらどこにつなげればいいか」必要な制度について学習機会をつくります。
⑥幅広い層が参加する福祉たすけあいまつりを8月21日に開催します。
⑦事業所ごとのボランティア委員会の交流を深めます。
⑧各事業所利用委員会で事業所を視察します。
⑨患者満足度アンケートを実施し、活用方法について討議します。
(4)平和・社会保障
①社会保障の充実、憲法、平和を守る署名運動にとりくみます。
②社保学校を3回開催します。
③日本高齢者大会in長野、ピースアクション・原水禁世界大会・平和行進・NPTなど核兵器廃絶の運動に参加します。
④格差貧困、医療・介護問題の事例を通して学びあい、憲法や平和を守る企画を開催します。
⑤地域の社保協に結集します。なんでも相談会を支援し、活動します。

3.患者、利用者のみなさんに親切で安心のサービスを提供します
①在宅分野の再編・強化をはかります。病院・診療所、医療・介護の連携という優位性を活かせるように、各事業所で展開している訪問診療の統合再編、訪問診療窓口一本化、訪問看護の事業所統合とサテライト化にとりくみます。
②法人外事業所や行政と連携し、頼りになる事業所、法人となるよう、チームの総合力を高めるよう努めます。
③王子生協病院は各病棟の機能を活かし、地域のベッドとして稼働を確保します。
④病院・診療所の外来診療は「家庭医」の機能を活かします。
⑤診療所は相談機能を高めながら無料低額診療の事業開始をめざします。
⑥歯科は口腔機能の低下の早期発見、早期介入にとりみます。
⑦ひきつづき介護職員の確保に努め、介護事業の今後の展望づくりをすすめます。

4.地域組合員と職員組合員の育ちあい
①通信教育を支部運営委員と職員に位置づけて取り組みます。
②comcom、理論誌、民医連医療、いつでも元気を、職員と支部運営委員に普及します。
③医療生協、民医連の交流会や研修会へ、組合員と職員が積極的に参加するよう位置づけます。

5.働きやすい職場づくりと人材育成・後継者確保
①HPHの学習、事例の振り返りや地域活動に積極的に参加します。
②ハラスメントのない職場をめざします。今年度の職員制度研修会のテーマ課題とします。
③妊活や子育て・介護の支援など、それぞれの生活を守り働き続けられるよう、委員会を組織して制度検討を新たに始めます。
④業務の効率化、見直しで残業削減にとりくみます。
⑤多様性を認め合える働きやすい環境をめざします。
⑥事業所内、法人内外での多職種連携を強化します。
<後継者確保の目標>
医師(初期研修医2人、後期研修医2人、既卒1人)
医学生奨学生(2人増)
看護師(新卒8人、既卒5人)
リハビリ(新卒3人、既卒3人)
介護職(常勤5人、非常勤8人)
事務(新卒2人)
歯科(既卒1人、研修医1人、歯科衛生士2人)

6.当期利益で黒字を確保し、累積赤字の解消に務めます。
出資金を増やして、自己資本を強化します

2020年度 必要利益           単位=百万円
資金支出 資金調達
設備投資 60  減価償却 192
銀行返済 135 退職金繰り入れ 185
組合借入金返済 100
退職金支払 100
税金 52  経常利益 70
447 447

①全職員参加の経営を追求します。ひきつづき医師の経営参加を強めます。
②必要利益70百万円をめざし、部門別の予算管理(指標管理)を強化します。
③出資金(資産)を増加するために、組合債(負債)を出資金へ振り替えることをすすめます。
④生協北診療所の建設計画、2021年度着工をめざして進めます。

2020年度目標
仲間増やし 1,500人 班会開催 1,200回
出資金増やし 1億5,000万円 担い手増やし 150人
班づくり 55班 増資参加者数 3,600人

7.生協組織の拡大強化の課題
①全支部と全職場で、4課題目標をたててとりくみます。
②支部活動の手引きをつくり、支部活動の活性化をはかります。
③新支部づくり(支部分割)のとりくみをすすめます。
④方針をすすめるため必要に応じて新委員会(小委員会)の立ち上げを検討します。

<用語解説>
*2 ジェンダー(社会的・文化的性差)平等社会の実現―SDGsで掲げる5番目の項目。真に平和な社会をつくるために、男性も女性も多様な性をもつ人々も、差別なく平等に、尊厳を持てる社会をめざす運動のこと。
*3 SDGs―2015年9月に国連が採択した「持続可能な開発目標」(SustainableDevelopment Goals[: エス・ディー・ジーズ])。2030年を達成期限とする17のゴール、169のターゲット、および、その進展を評価するための指標を持つ包括的な目標。SDGsは「世界の貧困をなくす」「持続可能な世界を実現する」ことをめざす。