2月から王子生協病院6階で17床運用
王子生協病院
副総看護師長・地域連携室平井 敦子
地域包括ケア病棟は、2014年4月に厚労省より新しく許可された病棟です。
医療や介護が必要になっても、地域で暮らし続けたいという方への支援を行うことを目的とした病棟です。
地域包括ケアシステム
この病棟は地域包括ケアシステム構築のための役割を担っています。地域包括ケアシステムとは、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目処に、重度な要介護状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けられることができるように考えられました。在宅ケア、リハビリテーション等介護を含む福祉サービスを、関係者が連携協力して、地域住民のニーズに応じて一体的・体系的に提供する仕組みです。
また、今後認知症高齢者の増加が見込まれることから、認知症高齢者の地域での生活を支えるためにも、地域包括ケアシステムの構築が重要となります。地域包括ケアシステムは、おおむね30分以内に必要なサービスが提供される日常生活圏域(具体的には中学校区)を単位として想定しています。
在宅への支援
2017年2月より、王子生協病院でも6階病棟45床の内の17床を地域包括ケア病床として運用を始めます。急性期の治療を終え一定症状は安定したが、自宅での療養に不安のある方や、もう少しの入院治療・リハビリテーションにより在宅復帰ができる患者さんに、安心して在宅に戻れるよう様々な支援をしていきます。また、医療行為が必要で介護施設のショートスティが利用できず、介護者に介護疲れがみられるケース、介護サービスの調整や住宅改修などで、一定の準備期間が必要な方も入院が可能です。
東京ほくとのネットワークを活用
地域包括ケア病床でいう在宅とは、自宅だけでなく、強化型老健施設、サービス付き高齢者住宅、小規模多機能、有料老人ホーム、特別養護老人ホームなどの施設も在宅として捉えます。
地域包括ケア病床の入院期間には制限がありますので、在宅復帰支援については、医師、看護師、リハビリスタッフや退院支援看護師、ソーシャルワーカーなどが多職種連携し、さらに診療所やケアマネジャー、介護サービス事業所などを通し地域とも連携していきます。入院後に戻る先や患者さんの病状や状態に合わせて調整しますのでご相談ください。
医療、介護、地域組合員の連携ができるという、ほくとの強みを活かして、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けられることができるよう地域包括ケア病床の役割を発揮していきたいと思います。