71年後の広島に立ち、思う 「平和のバトンを引き継いでいく」原水爆禁止2016世界大会
8月5~6日、日本生協連主催の「ピースアクションinヒロシマ」に組合員と職員5人、8月4~6日に行われた原水爆禁止世界大会に北区の仲間とともに職員7人が参加しました。
●人はいのちある限り価値がある
王子生協病院
作業療法士 栁原澪
広島の街を歩き、遺物に触れ、被爆された方々のお話を聞いて思ったのは、戦争は二度と繰り返してはいけないということでした。
武力は人を傷つけることを目的に使用されます。私はそこに〝人が傷ついてもいい〟、〝人が死んでもいい〟というメッセージがあると思います。〝人はいのちある限り価値がある〟、〝人の営んでいる生活は大事にされて然るもの〟と思います。
私はリハビリテーションに携わる仕事をしています。人や生活を大事にし、価値を信じて、それを具体的な形にして目の前の方に渡すことが仕事だと思っています。〝あなたは大事な人です。あなた自身やあなたの生活には価値があります〟と伝える仕事だとも思います。
これからも自分の仕事を通して多くの方々と関わり、自分も人として成長していきたいと思います。
●ヒロシマで得た財産を伝えていく
ひまわり企画・あすか薬局
薬剤師 片山 隼(はやと)
2日目の、岩国基地調査行動に参加しました。一番に感じたことは、知らなかった内容の多さでした。沖縄県の基地問題を新聞でよく見かけるのですが、岩国基地の拡張が進められ日本有数の空軍基地になっているという内容は、あまり知られずに進められていることに危険を感じました。市の中心に基地があるために市の発展の妨げとなり、思うような発展が出来ていないということでした。
最終日は、平和祈念式典に参加し、平和祈念資料館、原爆ドームといった史跡を回った後に原水爆禁止世界大会の閉会式に参加しました。資料館で、被害者の皮膚や爪といったものを見たことで、世界大会で訴えている原水爆禁止の重要性を感じられたと思います。閉会式の最中に歌われた歌が、原爆被害者の甥の方が作られたものであり、被害を受けた人の気持ちを強く印象付けられ、生きられなかった無念さが感じられました。
今回の参加で多くのことを知る機会を得られたことは、自分にとって財産になり、今後に生かしていかなければいけないと感じました。
●71年後の今、広島にいる私
王子生協病院
理学療法士 森木由衣子
私が印象に残った被爆者の方の話は、「正しい目で見て、正しい耳で聞いて、正しく判断する頭を持って下さい。国はだますことから始めます」という言葉でした。その方は戦前の軍事教育に何も疑問を抱かず、戦争を体験したそうです。改めて振り返ると、少しのことから国民をだまし、戦争に突入していったということです。また、日本では「終戦記念日」と言われていますが、実際は終戦ではなく敗戦ではないでしょうか。今の子どもたちは、日本は戦争に負けたとは思っていない、との話があり、正直愕然としました。たった一文字の違いではありますが、大きな違いです。
平和祈念式典では、8時15分、71年前ここに生活した人々の生活が一瞬にして破壊され、かろうじて生き残った方も地獄の苦しみを感じ、今でもその光景や臭いを忘れられずにいる方が大勢いらっしゃいます。71年後の広島にいる私も、ここで起きた惨事を思い、黙祷の際には涙がこぼれてしまう瞬間がありました。
もう二度と戦争は起こしてはいけない。核が使用されてはいけない。その思いが強くなった3日間でした。